もし、親が病気になり、自分が介護する立場になったら・・・
まずは、親とコミュニケーションをとることでさえも、大きな負担となるおそれがあります。
耳が聞こえづらい、言葉を思い出すのに時間がかかる、話のつじつまが合わない、何度も同じ話をする、話がそれていってしまう、など、スムーズにコミュニケーションがとれない可能性があります。
日常生活の介護も必要になります。
身の回りのお世話や、病院の付き添いなど、親のペースに合わせて行わなければならないでしょう。
そして、介護保険サービスを利用するためには、要介護認定の手続きを行う必要があります。
日常的に介護保険制度にかかわっていなければ、どこに相談したらよいかなど、わからないことも多いでしょう。
肉体的・精神的に大きな負担となることは、容易に予測されます。
働いている方の場合、介護休暇のある職場もありますが、長期間の取得はさまざまな要因により難しいのはないでしょうか。
介護離職という言葉もあります。
「介護のために仕事を辞めること」です。
親の介護度が高くなるほど、仕事との両立が難しくなって離職を選択してしまうのです。
総務省統計局が公表した「令和4年(2022年)就業構造基本調査」によると、2022年10月時点における過去1年間の介護離職者(介護・看護のために前職を離職した人)は10万6,000人という結果であり、今後高齢化率が上がっていくにつれて、増加すると考えられます。